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革製品の用語辞典[は行]


媒染

染色の過程で染料を繊維に定着させる工程。繊維に対し直接には染着発色性を持たない染料を、その染料の固着、 発色を促進する明ばん、鉄、銅及び植物の灰のような金属塩(媒染剤)で処理することにより染色を行うこと。 これには、添加順番によって先媒染、同時媒染、後媒染がある。 古来より天然染料で木綿、絹繊維を染めるときに使用されたが、現在では化学合成された各色の酸性媒染染料がある。 タンニン革を酸性染料で染めるときに、クロム塩で処理してから染色する場合もその一例である。

媒染剤

染料が繊維に直接に染まらないとき、染着、発色能を付与するような染色助剤。
本来は木綿繊維を酸性染料で染めるときに使用するアルミニウム、クロム、鉄などの塩を意味する。 革ではタンニン革を酸性染料で染めるときの前処理としてのクロム塩、アルミニウム塩、カチオン活性剤、 又はクロム革を塩基性染料で染めるときの前処理としてのアニオン性活性剤、植物タンニン、アニオン性合成鞣剤なども これに含めることができる。

ハイド

大動物の皮。大判で厚くて重い。牛皮では、その重量が30ポンド(13.6 kg)以上のものがハイドとなる。

馬具用革

植物タンニン鞣し革の一種で、ウマのくら(鞍)、手綱<たづな>、あぶみ(鐙)などに使用される革。 その強じんさと革らしさから、本来の馬具用以外にも鞄、自転車のサドルやバッグなど広く使われる。

爬虫類革

ワニ、トカゲ、ヘビ、カメなどの動物類より製造された革。表面にはうろこ(鱗)、甲羅などをもち、断面構造は魚類に類似し、 平織りの繊維組織が重なり合った多層構造をとっている。 その特徴のある銀面模様が珍重され、ハンドバッグ、服装用ベルト、時計バンドなどに使用される。

バックカット

背部から皮を割き、腹部を皮の中心として使用する場合の皮の割き方。 このワニ革は腹(肚)ワニと呼ばれている。一方、背部と腹部で模様やうろこの形状が大きく異なるヘビやワニなどでは、 革として利用する場合にファッション性を考慮して腹部から皮を割くフロントカットと使い分けている。

バックスキン

本来は牡鹿皮の銀面を除去し、その面を起毛して作った革。 バック(buck)は、トナカイ、カモシカ、欧州産の鹿類、ヤギ、ウサギなどの雄を指す。魚油又はホルムアルデヒドなどで鞣した 黄色の柔らかい革で、肉面を仕上げたものもある。床革ベロアやスエードなどをバックスキンと表現して間違っている場合が多い。

撥水加工

水が水滴としてはじかれるような皮革表面加工処理。はっ水剤としては、フッ素系、シリコン系及び高融点の炭化水素系化合物などが使用される。 主に仕上げ塗装剤と混合して使用される場合が多いが、ドラムを使用して浴中で処理する方法もある。

バット

皮の部位の名称で、尻<しり>の部分をいう。 この部分は線維束の密度が高く、良く充実しており、皮厚も厚い。また、線維束は銀面に対して角度を大きく走行し、交絡も十分である。 馬皮、豚皮では特にベリー部(腹の部分)との部位差が顕著である。強度試験などの試料採取部位はバット部分の特定部位であることが指定されている。 現在ではバットの呼び方は減っており、ベンズ、ベリー、ショルダーが使われている。

ハトメ

靴や書類とじのひも(紐)を通す穴。又は靴の場合は通常腰革の先の開閉部分(羽根)にはめ込む小さな金属又はプラスチック製の環。 一般的には靴ひもを通す目的で使用する。デザイン又は使用目的により大きさ個数がまちまちである。 はとめを表に出したものを表はとめ、逆に裏側に出るものを裏はとめという。

パナマメガネカイマン

学名はCaiman crocodilus fuscus。ワニ目アリゲーター科カイマン亜科カイマン属に分類される。中央アメリカに生息している。 現在ではコロンビアなどで養殖も行われている。メガネカイマンに比べて、骨質部が少なく柔らかいところから、比較的広い範囲の製品に用いられている。 近年では鞣し、仕上げ技術の向上により多様な仕上げも可能となり、ソフトなマット仕上げの革も生産され腹部及び背部を生かしたハンドバッグや 小物類も作られている。アメリカやメキシコでは、このカイマンの背骨の凹凸を活かした、カウボーイブーツが人気を博している。 我が国では脇腹(サイド)部分を、主に時計バンド用として使用されている。
 ≪パナマメガネカイマン≫

バフィング

革の表面をサンドペーパーで除去して起毛させること。 例えばガラス張り乾燥を行った革の銀面をバフィングにより傷を除去した後塗装する。また、革の銀面にバフィングを施しヌバックに仕立てたり、 革の肉面にバフィングを施し細かい毛羽を立てしてスエードやベロアなどに仕立てたり、起毛革の製造工程の一つとして行う。また革製品の製造時に塗装や接着の効果を高めるために行うことも多い。 靴などでは銀面のつや出しのための布による摩擦作業をバフィング(フェルトバフ)と呼ぶことがある。

バフレザー

サンドペーパーなどで銀面や肉面を削った革、スエード、ベロア、ヌバックあるいはガラス張り革の総称である。

腹(肚)ワニ

ワニの背の部分を割き(バックカット)、腹(肚)部のウロコ模様(腹りん(鱗)板)を生かしたタイプの革。 なお、けい(頸)部と背部のけいりん板や背りん板の模様を生かした革は背ワニと呼ばれている。

ハンドバッグ

外出に際して、身の回り品を収納し、手で提げるか抱えるか、腕、肩に掛けるかして携行する、主に女性のためのハンドバッグ。 用具であると同時に、衣服との調和を求められるファッション性の強い製品である。 デザイン、機能性により下の表に示すように多くの種類がある。ハンドバッグの仕立て(縫製方法)は、切り目、ヘリ返し、返し合わせ及び縫い返しの4種類の基本手法がある。

ハンドバッグは大まかに、一本手タイプ、二本手タイプ、ショルダータイプ、ベルト付きタイプ、抱えタイプの5種類がある

ハンドバッグの種類と特徴
・口金付バッグ・・・開閉機構を持つ鉄、真鍮製のフレームを袋の上部に取り付けたバッグ
・あおり式バッグ・・・袋が三つに仕切られて、中央に大型の袋、両サイドにまち幅の狭い袋(あおり*) が付いたバッグ
・クラッチバッグ(セカンドバッグ)・・・手でつかみ携行する、持ち手の無いバッグ
・巾着バッグ・・・二本のひもで口元を締めるバッグの総称。旧来はそのひもを提げ手とするものの呼称だったが現在では広義に呼ばれている
・フォーマルバッグ・・・冠婚葬祭、パーティーなどに使用されるバッグ
・ショルダーバッグ・・・主に肩に掛けて使用する、長いベルトを備えたバッグ
・バックパック・・・二本のベルトで背負うバッグ
・ポシェットバッグ・・・主に肩に斜め掛けして使用する、小型のショルダーバッグ
・かぶせ付バッグ・・・袋の口元にフラップの付いたバッグ。「かぶせ」は業界では「冠」の文字を当てて使用することもある
・トートバッグ・・・大型の二本手バッグ。書類などを入れ持ち運びに便利で、手提げとしてもショルダーとしても使用できる
・ウエストバッグ(ベルトバッグ)・・・ウェスト部分でベルトと関係して使用する小型バッグ
・ワンショルバッグ・・・肩に斜め掛けして使用するベルトを備えたバッグ。本体部とベルトは使用に応じ、角度のついているものが多い
・ボストン型バッグ・・・二本手付で大型のバッグの総称
・ポーチ・・・主に化粧道具などを入れて使用するバッグ
・バッグインバッグ・・・収納品を整理し、使い勝手を改善する工夫がなされ、バッグに入れて使用する一回り小型のバッグ

ハンドバフ

手作業で銀面をバフィングすること、またそのための道具。機械バフで処理できなかった部分を修正バフするのに使う。

ヒイロニシキヘビ

学名はPython curtus。有鱗目ニシキヘビ科ヒイロニシキヘビ種に分類される。 生息地はインドネシア、マレーシアを中心とした東南アジア諸国。 体長1.8〜2.7 mで、川辺や池や沼の周囲に棲息し、水辺に来る哺乳類や鳥類を捕食する。 尾部が短く胴が太い体型をしており、全身が赤味を帯びているためレッドパイソンとも呼ばれている。 革は主に背中を割いて、腹部の特徴ある蛇腹を活かして使用する。 アメリカでは、カウボーイブーツ用に、日本ではソフトに鞣してハンドバッグなどに使用される。
 ≪ヒイロニシキヘビ≫

皮革

皮革は一般に「かわ」ともいわれるが、皮とは動物の外皮で、毛付き、又は脱毛して未鞣しのものをいう。 革<かく>とは毛を除去して鞣したものをいう。皮革は両者を包含する概念である。毛皮も広義の皮革に含めることがある。 皮革が繊維材料と異なる最大の特徴は、生体時に既に線維と交絡状態が決定されている点にあり、それだけ天然材料としての個性が強い。 通常、哺乳動物皮の耐熱性は62〜63℃前後であるが、革は鞣されるとコラーゲン繊維が安定して耐熱性が向上する。 鞣されると腐敗しにくく(湿潤状態でも)、柔軟性及び弾力性を保持するようになる。鞣しに使用する鞣剤<じゅうざい>の種類や加工方法や厚さなどにより 特徴のある革ができる。
電子顕微鏡写真において、天然皮革の銀面では超極細のコラーゲンフィブリルが繊維束を構成せずに、フィブリルのままで走行し、 フィブリル同士で交絡し緻密で不織布のような繊維構造になっている。肉面に近づくにしたがって繊維束直径は大きくなっている。 この点が人工皮革や合成皮革の断面構造と大きく異なっている。

皮革クリーニング

皮革製品専用のクリーニング方式。一般の大量処理には、ドライクリーニング溶剤を用いるワッシャー洗いの方式が用いられる。 皮革製品を水で洗うと、収縮、形崩れ、硬化、脱色、艶失せが起きやすいので水系のクリーニングを行うのは特殊なケースに限られる。 革の特に顕著な局部汚れに洗剤液をあらかじめ浸ませて(プレスポッティング)からワッシャー洗いを行う。脱脂による品質低下を防ぐため、油脂(加脂剤)を含む 洗剤を使用することが多い。 洗い後、脱色の著しい部分に対してスプレーガン調色で色を修正し、また破れ、剥れ箇所の修理などの補助作業が必要である。 スエードはサンドブラストで局部汚れを除いてから洗いを行う。洗いによる脱色が著しいので、スエード専用ソープ(洗剤)を使用してこれを抑制することも行われる。

皮革製品の手入れ

日常よく行う皮革製品の手入れは汚れを落とすことにある。 革は微細な繊維が交絡した多孔質の構造をしており、汚れが内部に侵入すると取り除くことは困難になる。したがって、なるべく汚さないように使用し、 汚れた時はできるだけ早く取り除くようにする必要がある。ベンジンやシンナーのような有機溶剤は油性汚れを落とす力は大きいが、革の塗装膜を溶かしたり、 しみになったりするので使用すべきではない。水溶性の汚れを水拭きする場合や、市販のクリーナーやクリームなどの手入れ剤を使用する場合も、革の表面仕上げ方法を考慮しないと しみや色むらを生じる恐れがあり、かえって革の外観を損なう結果となる。この手入れ剤を使用する場合はあらかじめ目立たない部分でテストし、 色落ちやしみなどができないか必ず確認してから全体に使用するようにする。水洗いは一概に否定はできないが、色落ち、型くずれ、風合いの低下などが起こりやすいので、 家庭では避けた方が無難である。
また、革の取り扱いで最も注意すべきことは、雨、そのほか何らかの理由で革を水でぬらした時、直火、アイロン、ドライヤーなどにより高温で乾燥させてはならない。 このようなことをすると、革は収縮、硬化して使用に耐えられなくなる。革の乾燥は風通しのよい所での陰干しが原則である。

皮革製品の保管

皮革製品の保管中に起こる問題には、カビの発生、型くずれ、色移りや変退色などがある。これらを防ぐために次のような注意をする必要がある。
1)保管前の手入れは普段よりも念入りに行う。汚れはカビの栄養源になるのでよく落とすこと。防カビ剤入りのクリーナーやクリームなどを使用するのもよい。
2)陰干ししてよく乾かす。湿ったまま保存するとカビの発生、皮革の劣化、硬化、移染の原因となる。
3)型を整え、詰め物などをして型くずれを防ぐ。
4)保管場所は、風通しのよい低温で湿気が少ない場所を選ぶ。
5)色移りを避けるために印刷物、繊維製品や合成樹脂と直接接触しない様にする。特に、ビニール袋中に保管すると、可塑剤の移行などで密着や変色する恐れがあるのでビニール袋は使用しない。
6)光による変退色を防ぐために直接光が当たらないようにする。改良されてはいるが、蛍光灯下に保管した場合でも変色する場合がある。
7)保管中、天気のよい日に時々取り出して陰干しする。これはカビの早期発見にもなる。

蟇肌革(ひきはだがわ)

鞣し牛革の表面にガマガエルの背中のぶつぶつに似たしぼをつけた革。 しぼ革の一種である。鞣し上がった牛革とりわけ薄革では濃淡はあるがしぼと呼ばれる凹凸が出る。 それをさらに緩く弯曲したもみ板(片手で持てるかまぼこ状の木製に持ち手をつけたもの)で縦横にもみ込み凹凸をつける。

菱目打ち

菱目打ちは目打ち棒(打具)の一種で、あけられた穴が菱形の形状からこのように呼ばれており、手縫い作業において便利性が高く必携の道具である。 現在一般的に販売されているものは規格として1.5、2.0、2.5、3.0が用意されている。(例えば、1.5とは刃の巾、刃と刃の隙間の巾が1.5 mmという意味である。)
また、先端に取り付けられている刃の本数も1本、2本、4本、6本、10本と種類があり、例えば2 mm、4本菱目打ちは2 mm巾の刃が2 mm間隔で4本取り付けられたものである。 規格の数値はメーカーによって表示が異なるので注意が必要である。一般に販売されているもの意外に、別注で作製することもできる。
使用する糸は基本的にはろう引きされた麻糸を使い、菱目打ちの規格が1.5であれば細い糸、3.0は太い糸のように、 刃の巾に合ったものを選ぶことも大切である。菱目打ちを垂直に保ち、強弱をつけず適度な力加減で打ち込み、一定した縫い方により美しい糸目ができあがる。 縫うときに使う針は手縫い針が適している。

尾錠(美錠)

ストラップタイプの靴のベルト、鞄、ハンドバッグ、ベルトなどにつける金属あるいはプラスチック製の留め具又は締具。 靴の場合は足に靴を保持するという機能だけでなく、装飾用としても用いられる。
 ≪美錠≫

平編み

最もスタンダードとされる平編みは革ひもの断面が四角いものが使用され、革ひもの巾、厚み、革の風合いにより仕上がりが異なる。 また一片の革に2列平行に切り目を入れて作るマジック編みもこれに含まれる。革の種類、色の組み合わせで幅広く作ることができ、応用性が高い。

ビルマニシキヘビ

学名はPython molurus。有鱗目ニシキヘビ科に分類されるヘビ。インド、ミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシア、中国南部などの熱帯地方に生息している。 全身に不規則な図形模様があり、その個性的な斑模様に特徴がある。英名ではモラレスパイソンと呼ばれている。皮質の丈夫さサイズが大きいなどの利点もあり、 アミメニシキヘビとともに蛇革の主力として幅広く各種製品に使用されている。沖縄の蛇皮線には、この皮が使用されている。
 ≪ビルマニシキヘビ≫

ファンシーレザー

財布、小物入れ、書類入れなどの装身具用品に使用する革。 主に小動物の皮が利用されるが、大動物の皮でも繊細な仕上げでファンシーレザーとなるものもある。

覆輪

鞄やハンドバッグなどの*美観を高めるために口金の上部にとりつける、棒状又は細板状の飾り金具。 工芸的な装飾、メッキを施したもの、革を貼りつけたものなど種類は多い。また金属のほか、合成樹脂や木製のものなどがある。

袋手

手ひも部材の表面を二つ折りに合わせて縫製し、表裏を返してミシン目を見えなくした持ち手。

袋物用革

鞄、ハンドバッグ、ケースなどに用いられる革であるが、靴用革、家具用革、衣料革などに対応する呼称で、バッグに使われるすべての革が対象となる。用途により異なるが、 外観、感触、成型性(寸法安定性)、耐久性などに優れた革が用いられる。
鞄類は比較的大判で、摩擦などに対する堅ろう性や耐久性に優れた革が使われる。ハンドバッグ類は実用性よりも装飾性が高いので 外観の美しい、感触、風合いのよい革が使われる。また、は虫類革も使用される。

ふすべ(燻)革

くん(燻)煙鞣しの革。革の表面に稲わら、松葉や松脂などの煙をあてて、色や文様<もんよう>をつける(古くは染め革ともいわれた)。 くん煙により鞣しと着色がなされて独特の革となる。稲わらの煙を使用すると燈色から茶色になり、松葉ではねずみ色系に着色する。
文様は、糊、型、絞りなどを利用した防染で出すが、独特のものとして糸巻き防染がある。これは、いぶし胴に革を巻き、それに糸を巻き、この巻き方により縞巻燻、 格子巻燻、鶉巻燻(うずら革)などがある。現在でも甲州印伝革の製造に利用されている。

豚皮

ブタの皮。世界各国で飼育されているブタの品種は100余種以上である。主な品種としてヨーロッパ種(ランドレース、大ヨークシャ種、バークシャ種、その他、ランドレースなど)、 アメリカ種(ポーランド、チャイナー、ハンプシャー、チェスター、ホワイトなど)、アジア地帯の種(中国ブタ、台湾ブタ、琉球ブタなど)がある。
豚皮の最大の特徴は、毛(剛毛)が3本ずつまとまって全皮厚(銀面から肉面)を貫通している。 表皮が皮全体の1〜3%を占めて毛根の末端が皮下組織に達しているために、豚皮は網様層を欠いた乳頭層だけからなっているといえる。 バット部は線維束が太く、走行角度も大きく充実して密度が高い。ほかの部位に比べて組織が密なため硬くなりがちで、均一な柔軟性が得にくい。 しかし、組織を構成するコラーゲン線維は牛皮より細く、緻密である。このためバッフィングにより繊細な起毛の革が得られる。そのほかの部分は交絡程度と密度は劣る。 銀面は凹凸が多く、大きな凸凹面にさらに小さな凹凸がある松かさの鱗片のようで、これが豚革特有の突起の多い銀面模様となっている。 また、真皮は毛包や皮脂腺などが少ないので充実しているため、繊維の緻密さを活かして型押し革として、靴、鞄、時計バンド、 また毛穴の通気性を生かして裏革、衣料革、手袋革などに利用される。
 ≪豚革≫

二つ折り手

鞄、ハンドバッグの平手の持ち手部分を二つ折り、若しくは両端を中心線に合わせて反してミシン掛けした持ち手のこと。
 ≪二つ折り手≫

ブライドルレザー

馬具用革のことをいう。植物タンニンなどで鞣した成牛革にワックスを浸透させて、光沢、ぬめり感や防水性を付与させる。 このため銀面に白いワックス(ブルームと呼ばれている)が付着している。

ブラッシング

1) ブラシ掛けのこと。皮革製造工程では乾燥した革の加工で生じた革の微粉末(粉塵)、屑などを革より除去すること。
2) ヌバックやスエードでは革粉末の除去と起毛を均一にするためにブラシ掛けすること、又はブラシを掛けて毛羽を再生することをいう。
3) 仕上げ工程において最終溶剤性塗装液の吹き付け時に発生する、表面の曇りのこと。低沸点溶剤の蒸発により気化熱が奪われることによる結露が原因と考えられる。高沸点のノンブラッシングシンナーを添加して防ぐ。

フルクロム革

クロム鞣剤<じゅうざい>のみで鞣した革。通常クロム革はクロム鞣剤とほかの鞣剤を併用するコンビネーション鞣しによるが、 クロム鞣剤のみで鞣したことを強調するときに用いる。主としてボックス仕上げの子牛皮などで用いられる。

ブルハイド

去勢していない雄成牛の皮。この塩生皮重量は通常75〜100ポンド(34〜45 kg)で、皮の特徴は頭、首、肩部が極めて厚く、線維組織は粗剛である。 アメリカの雄成牛の皮には焼き印の有るものとないものがある。

へり返し

1)ハンドバッグの仕立ての一つ。材料の裏同士を内側にして重ね合わせ、一方のへりを平均した幅で他方へ折りかぶせ接合する手法。皮革製の財布類の仕立てに多く用いる。
2)バンドの仕立て方法の一つで、一般的に中、高級品の仕立て。表材の皮革でバンドの芯材を包み込むようにへりを折り込み、それに裏材を接着する。そのほか、へりを返す仕立てに、半へり仕立て、フランス仕立て、セーター仕立てなどがある。

ヘリカッター

革のへりに沿って平行に切り込み線をつけるための用具。レザークラフトやベルトなどの製作で端のカットや、筋つけに使用する。 80年代までは輸入品としてカタログに掲載され販売されていたが現在は取り扱いされていない。
 ≪ヘリカッター≫

へり磨き

革の切り口(こば)を磨く道具。種類としてウッドスリッカー、ウッドブロック、コーンスリッカー、へりみがき、ヘラ付へりみがきがあり、 それぞれの使用感を比べて選ぶ必要がある。磨くための専用仕上げ剤としてはトコノール、トコフィニッシュ、バスコ、こばインク、イリス、カスタム、サーマルコートと多種にわたる。 こば磨きに適した革としては植物タンニン革、合成タンニン革であり、クロム革は全体に薄く柔かいため磨きにくく、磨いた後でも繊維がほぐれやすいため不向きである。 タンニン革であっても、革の厚み、硬さによって磨く力加減が必要である。
 ≪ヘリ磨き≫

ベルトのサイズ

ベルトにおけるウエストサイズは下図のように、真ん中の穴から留め金の先までを指す。 ベルトの穴の数は奇数個でバランスが最も良いためである。 日本におけるウエストサイズは、75 cm(30 in)、80 cm(32 in)、85 cm(34 in)、90 cm(36 in)及び 好みの長さに切って調節できるフリーサイズとなっている。最近はフリーサイズが主流になっている。
 ≪ベルトのウエストサイズ≫

ベロア

成牛革など大判の革の肉面をバフィングで毛羽立たせたソフト調の革を銀付きベロアといい、床革を用いたものを床ベロアという。 小動物の肉面を起毛したスエードに比較してやや毛羽が長く、靴用甲革などに使用する。

ベンズ

原皮からショルダー部(肩の部分)とベリー部(腹部及び四肢の上部)を除去した部位のこと。 線維束の密度が高く、充実性が良好で、皮厚も厚い。また、線維束は交絡も十分である。JIS法などにおける強度試験などの試料採取部位となっている。 馬皮、豚皮では特にベリー部*(腹の部分)との部位差が顕著である。背線から半分に割ったものをシングルベンズ、割らないものをダブルベンズと呼ぶ。 明治の初めに日本に輸入された底革は主にアメリカからで、アメリカでは半裁で鞣す方法が行われていた。 その半裁を下図のように、ベリー、クロップと分けたり、ベリー、ショルダー、ベンズと分けたりした。ヨーロッパでは丸皮を使用し、 ベリー、ショルダー、バットのように分けた。戦後ヨーロッパから鞣し技術が導入されたが、アメリカ式の半裁による鞣し方法が行われた。
 ≪皮革の裁断部位と名称≫

変退色

革の変色、退色を劣化現象として表現する用語。顔料、染料などの色素の分解又は移動による退色と変色及び これら以外の材料(革、毛、鞣剤あるいは塗膜やそのほかの助剤)の劣化による変色(黄変、褐変など)との組み合わせからなる。 皮革の変退色原因として次の要因が考えられる。
1) 紫外線、大気汚染物質及び酸性やアルカリ性物質による色素や仕上げ塗膜などの化学的な分解や変化。
2) 摩擦、クリーニング及び汗や水に濡れることによる色素の移動や脱落。
革などの染色物の変退色はこれらの劣化要因に応じて再現試験及び種々の染色堅ろう度試験方法により評価する。

ホットピット

底革製造の最終的な鞣し工程。サスペンダーと類似した方法で通常6個連結したピット(槽)に、 40〜43℃に加温した非常に濃厚なタンニンエキスの溶液(130度BK程度)を入れ、タンニンの吸着を進める。 ホットピットは、革のタンニンの固着を高め、水洗による損失を少なくし、特にバット部への充塡を改良する。

ホルスタイン

オランダ原産の代表的乳用牛で世界中に最も多く分布している。毛色は黒色、白色のまだら模様で、腹部、尾の先端、四肢の下部が白い。 体形は大型でくさび型をしており、乳用種中最も大きい。 皮はその重量の割には面積が広く、肉用牛の皮に比べて薄い。そのために、衣料用革、家具用革、シート用革に向いている。

ホルスタインハイド

ホルスタイン種の革。皮質が薄く面積も大きく、毛色は黒白で、特に衣料用革原料として重要である。総称としてホルスとも呼ばれている。

ホルムアルデヒド

化学式はHCHO。メチルアルコールを酸化して得られる刺激性のある気体。この40%水溶液をホルマリンという。 鞣皮能<じゅうひのう>を有し、白革用鞣剤として使用されていた。合成鞣剤の製造にも用いられていた。またフェノール、尿素などと反応させ合成樹脂製造に用いる。 そのほか分析試薬として利用される。パラホルムアルデヒドなど固型の重合体を作る。 人体へは、粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こす。 皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、激しい刺激を受け、炎症を生ずる。接着剤、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため建材に広く用いられている。 しかし、建材から空気中に放出されることがあり、その場合は低濃度でも人体に悪影響を及ぼす、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質のうちの一つとして知られる。現在、建築基準法によりホルムアルデヒドを放散する建材の使用制限が設けられている。WHOの下部機関である国際がん研究機関によりグループ1の化学物質に指定され、発ガン性があると警告されている。 日本エコレザー(JES)*の遊離ホルムアルデヒド基準値は、エキストラ、16 mg/kg以下、 成人(皮膚接触)75 mg/kg以下、 成人(皮膚非接触)300 mg/kg以下となっている。

本革

戦前戦後の皮革素材の乏しい時代には、皮革以外の材料を用いていわゆる擬革に類するものがかなり利用された。 それに対する本物の皮革という意味で本革という言葉がよく用いられた。







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