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革製品の用語辞典[か行]


カイマントカゲ

学名はDracaena guianensis。有鱗目テユウトカゲ科に分類され、ブラジル、ガイアナが主な生息地である。
頭部から背部にかけて、特徴ある楕円形の背鱗板が、ワニの背部のように並んでいることから、カイマントカゲ(ワニトカゲ)
ジャクルシーと呼ばれている。
  ≪カイマントカゲ≫

カイマンワニ

学名はCaimaninae。アリゲーター科カイマン属(Caiman)に分類され、メガネカイマン、パナマメガネカイマン、パラグアイカイマンなどは これに属している。中米及び南米の沼や川に広く生息している。バビラス、石ワニとも呼ばれている。
この種の皮は、全体に骨質部が多く、 特に腹の部分にカルシウムが多く溜まることから革として利用されるのは主に骨質のない顎か脇腹の部分で、通常サイド、テンガサイドと呼ばれ 主に時計バンドなどに使われていた。しかし、近年鞣し技術が向上し骨質部も比較的柔らかく仕上げられ一枚革としての利用も 可能となってきているが品質的に大きく異なる。
なお、カイマン属メガネカイマン種の学名がCaiman Crocodilusであることから、 イリエワニなどのクロコダイル属の学名Crocodylusと混用して「カイマンクロコ革」や「クロコダイル革」と表示することは適正ではない。
 ≪メガネカイマン≫

カウハイド

お産をした後の雌牛で、生後約2年経過している牛からできる革。原皮重量30〜53ポンド(13.6〜24kg)範囲のものをライトカウ
53ポンド以上のものをへビーカウと分類している。銀面のきめが細かくステアハイドより革が薄いです。

返し合わせ

鞄やハンドバッグなどの仕立ての一つ。ヘリ返し工法と同じ方法で、芯地にへり返しをした二枚の材料を突き合わせ、接合する工法。
一般にミシンで縫合されるが、接着剤を使って貼り合わす場合も多い。

かがり

前胴、後胴に持ち手や根革をミシン掛けした後に、縫い始め部分を補強するための手縫いのこと。
胴とまちを合わせ縫いした後に、端の力のかかる部分を手縫いで重ねて補強すること。

飾り革

靴甲部のつま先革の先端部分。形状は直線に縫い付ける一文字飾り(ストレートチップ:straight tip)や
おかめ飾り(ウイングチップ:wing tip)が一般的である。

型押し

皮の表面に加熱高圧プレスで加工した革の総称。最近ではファッション性の高さで人気がある。

カーフ(カーフスキン)

生後約6ヶ月までの仔牛からできる革で、成牛革に比べて、表面の傷が少ないため
牛革の中では一番の高級品。緻密な繊維組織が特徴でしなやかで薄く仕上がります。

カリフォルニア式製法

甲革・中底・裾テープなどを縫い合わせ袋状にし、裾テープを底側に巻き込んだ後表底を貼りつけるます。
とても屈曲性の良い靴に仕上がり、歩行などがしやすい特徴があります。

加脂

革に油剤を施す作業。この作業の主な目的は、革に目的に応じた柔軟性、触感、光沢、耐水性などの物性を付与することである。
油剤(加脂剤)を水性エマルションの形で、ドラム中で革とともに回転しながら施す方法(乳化加脂、fat-liquoring)と
非乳化性油脂を直接施す方法(油引き*、oilingなど)とがある。前者が一般的である。

カゼイン仕上げ

革の仕上げの一方法。カゼインを主体として染料、ワックスなどを混合した塗料を革の銀面に塗布した後、
固定剤をスプレーし、グレージングで光沢を出す。
ボックスカーフ、キッドのような本来の銀面の美しさを生かすのに適している。

型入れ

1枚の一定面積の革から、最大の経済的効果を上げるような裁断歩留まりを見積もるために型紙を配置する作業。
革の伸び方向、伸び率、繊維の粗さ、風合い、色目、傷などを頭に入れ、また、製品の各部分の物性、機能性を考慮して行う。
革は布地と違い1枚1枚の型入れ状況が違うので、型入れと同時に裁断作業を行うのが普通である。

型押し

凹凸を刻印した金属面を皮革の表面に押し当て、熱と圧力により革に型付けをする作業のこと。
通常この作業はプレスアイロン又はロールアイロンなどを使用する。動物種の銀面模様又はデザイン模様を付けることができる。
型押しにより銀面にある欠点を隠し商品価値を高めることもできる。

型押し革

凹凸を刻印した鉄板で加熱、加圧し、革の表面に種々な凹凸模様をつけた革の総称。植物タンニンで鞣した革や再鞣<さいじゅう>した型が
つきやすい革(可塑性のある革)を素材とする。装飾的な財布や家具、靴、ハンドバッグ、鞄など広範囲に使用されている。
また、床革<とこがわ>に特殊な仕上げを施し銀面様の模様をつけたものなどもある。

型紙

衣料、靴などのデザインを製図で書き写した紙製の型のこと。衣料革、椅子張り革の裁断は裁包丁<たちぼうちょう>を使用するため
厚手のボール紙やクラフト紙を用いる。大量生産用にはプラスチック板や金属板が用いられる。

型染め

模様を彫った型(木、紙、革など)を用いて染める方法。平板に凹凸模様をつけた「版型」と、模様を透かし彫りした「透し型」とがある。
また、染色技法には、型に染料や顔料をつけ、直接に皮革表面に模様を印なつ(捺)する直接的染色法、いわゆる「プリント」と
型を用いてワックスや糊などの防染剤を置き、模様を染め抜く「防染染め」とがある。

カバ

学名はHippopotamus amphibius。偶蹄目カバ科に分類されている動物。この科にはほかにコビトカバが含まれ
2属2種である。アフリカ中央部、南、西、東部に分布し、生息地は河川、湖沼で日中はほとんど水中で生活する。
カバの皮は、表層を取り除いて鞣すため、皮の表面はヌバック、スエード状で、網目の深いしわが見られる。
紳士用の鞄、小物などに使用されている。

カービング法

スーベルカッター、刻印などを使用して革を圧縮することによって模様を表現する技法。
レザークラフト、アメリカンクラフト、ウェスタンレザークラフトなどともいう。
レザーカービング法の基本は、タンニン革にスーベルカッターで模様を切り込んで行き、刻印によって立体感を出し、浮き彫りする。
これに透かし彫りや型つけ法などを組み合わせて革に図柄を入れ、さらに鞄、ベルト、小物、アクセサリーなどの作品に仕立てる。
カービングスタイルには三つのスタイルがあり、それぞれの地域で発達し外部の職人がその地域や人名を指し呼び合ったのがはじまりである。
模様は共通して植物、花をモチーフとしている。
 1)アリゾナスタイル:ゆるいカーブと直線的な茎の躍動感が特徴で、男性的な印象で西洋建築の装飾やアラベスク模様の名残が強い。
 2)カリフォルニアスタイル:サドルメーカー、D. ウオーカー氏が20世紀初頭にカリフォルニアに実在する花をモチーフにしたもので
   柄に蕾があるのが特徴。
 3)シェリダン:ドナルド・リー・キング氏のカリフォルニアスタイルと共通しているところもあるが、より流れるような丸みを帯び洗練され
   幾何学的なデザインが特徴である。

カーフスキン

生後6か月以内の子牛の皮で原皮重量が9.5〜15 lb(ポンド)(4.3〜6.8 kg)の範囲のものをへビーカーフ、9.5 lb以下のものをライトカーフと
分類している。成牛皮に比べて銀面は平滑できめが細く表面の傷も少なく、また繊維も細く柔らかいので最高級の革となる。

かぶせ-flap

かぶせつき鞄やハンドバッグなどのかぶせふたのこと。フラップともいう。フラップの下の端近くに留め金具を取りつけ、袋部に密着させる。
一種の飾りふたとみなされ、留め金具の形と感覚に調和させながらデザイン化され、製品全体の印象を決める。
鞄、ハンドバッグ業界では“かぶせ”に「冠」を当て字として使用する場合がある。

がま口

口金付の小銭入れ。丸型、くし(櫛)型、角丸、浮き足、天溝などの口金が使用され、明治時代に主に生産された丸型口金付財布を
蟇ガエルの口に見立てて、ガマ口と呼ばれるようになった。

ガラス張り革

ガラス張り乾燥後、銀面をバフィングし、塗装仕上げした革。コレクトグレインということもある。
成牛皮で銀面の粗いものや損傷のあるものをバフィング(銀磨り)により修正して平滑に仕上げた革である。
裁断歩留まりは良いが、ネット張り乾燥を行った銀付き革より風合いが劣る。靴の甲革、ランドセルや鞄用革に用いられ、
ソフトなものはハンドバッグ用革などに用いられる。

カリフォルニア式製法

靴の製造方法。プラット式製法ともいう。甲革周辺と中底周辺とプラットフォーム巻き革とを縫い合わせ、靴型を挿入し
プラットフォームに巻革を巻き付けて釣り込み、このプラットフォーム巻き革に接着剤を塗布し、圧着機で底付けする製法。
米国で行われていたが、近年日本でも普及している。非常に軽く返りがよく、軽快なカジュアル用として紳士、婦人靴に使用されている。

革あみ

細長く切った革ひもを組み合わせ、さらに立体的なひもに編む技法。同じ編み方でも色の組み合わせ、革ひもの巾、厚み、断面の形状により
仕上がりが異なり編み方は無数といってよいほどの種類がある。出来上がったひもは鞄などのパーツ、ウォレットロープ、携帯ストラップ
アクセサリーなどアイデアにより幅広い用途がある。革をひも状に切り、平組(平組ひも)、丸組み(丸組ひも)、あるいはメッシュに編む技法。
図に示すマジック三つ編み、丸組ひも、メッシュ編みなどがある。

   ≪革編み≫

皮は動物からとった状態のもの。
哺乳動物の皮、ことに家畜の皮が製革業の主原料皮となり、成牛皮のような大動物の皮をハイド
ヒツジやブタのような小動物の皮をスキンと呼んで区別している。

動物の皮を脱毛し、鞣して得られる製品で、鞣し革<がわ>、革<かく>ともいう。また、鞣していない生皮<なまかわ>は革と区別されるが
両者を併せて皮革<ひかく>と称する。毛皮は毛をつけたまま鞣したもので毛付きの原料皮を含めて広義には皮革に含める。
原料となる原皮は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、シカなどの哺乳類のほか、ワニ、ヘビ、トカゲなどのは虫類革が用いられるが
牛皮の使用量が最も多い。皮を鞣すことにより、腐敗し難く、柔軟性、耐熱性、吸湿性、耐水性や耐久性がある実用性に優れた革になる。
鞣し方法は、クロム鞣し、植物タンニン鞣し、油鞣し、アルミニウム鞣し(明ばん鞣し)など多くの種類があるが、クロム鞣しが最も多い。
それぞれ特有の性質を有し用途もそれを生かして、靴、甲革、底革、ハンドバッグ、鞄、手袋、革衣料、家具用など。

革工芸

レザークラフトともいう。革工芸の歴史は古くヨーロッパでは有史以前にさかのぼる。中世になると刻印、モデラや金装飾の技法が既に使われ
ルネッサンスの時期に絵画的な装飾がとり入れられている。一方、アメリカではインディアンが独特の製革技術で馬具、衣服などを作っていた。
コロンブスのアメリカ発見とともにヨーロッパ文化がもたらされ、革工芸もスペイン人の手で持ち込まれ、その基が築かれた。
我が国では、奈良時代より漆皮箱や式具などに優れた革工芸があり、さらに甲州印伝やろうケツ染めなどの技法にヨーロッパの革工芸も加え
戦後のレザークラフトのカービング法などの導入により、革工芸がさかんとなった。革工芸は熟練した職人により伝統文化を伝えるとともに
多岐にわたる様々な技法を単独に、又は組み合わせて様々な作品が作られている

革手芸

量産型のファクトリーメーカーが製造する均一化された革製品と違い、1人あるいは2〜3人で1点1点を手作業で作る作品という意味で
革工芸も革手芸も同じであるが言葉から伝わるものとしては革工芸が道具、材料があれば誰もができるものではなく
熟練度の高い職人が長い時間をかけ、歴史伝統文化を伝えるような作風であり、一般的な趣味の一つとして手軽な道具で自由な発想のもとに
色々なものが作られる。でき上がったものは作品的要素もあるが実用性の高いものが多く、手づくり市などでも見受けられる。

革すき

厚い革を一定の厚さに調整したり、折しろを段すきあるいは継ぎ合わせしたりするために斜めにすく作業。
革包丁、豆かんな、革すき機、バンドナイフなどが用いられる。

革ひもかがり

革ひもを使って革を縫い合わせる技法。革の縫製はミシン仕立てと手縫いであるが革手芸の良さを出すために革ひも(レース)を使って
縫い合わせを行うもので装飾を兼ねている。革に目打ちやハトメ抜きで必要な穴をあけ、レース針に革ひもをはさみ、これでかがる。
巻きかがり、シングルステッチ、ダブルステッチ、フローレンスステッチ、ランニングステッチ、クロスステッチ、
クロスバットステッチ(クロスとじ)スパイラルス(バット)ステッチ(巻きとじ)などいろいろなかがりがある。

   ≪革ひもかがり≫  ≪ステッチ≫

革包丁

皮革の製造工程中や完成革の裁断などに用いる皮革専用の包丁のこと。裁ち包丁ともいう。
のみ(鑿)の先を大きくして平たくしたようなもので、両刃でなく片刃である。革の裁断は革に型紙を当てて包丁で裁断する。
革を裁ったとき、革の断面が垂直で平らなことが重要である。この目的を達成するのに適したデザインとなっている。
  ≪革包丁≫

カンガルーレザー

カンガルーの皮を鞣した革。柔軟で、組織はち密で、銀面は硬く締まり、強度のある丈夫な革として知られている。
サッカーシューズやゴルフシューズなどの運動用靴の甲革などに利用される。

カントリーハイド

地方の小さなと場や牧場で産出する原皮。設備が悪く、剥皮技術も低いために剥皮傷が多く皮の品質も塩蔵状態も劣る。
したがって低級な塩蔵皮を示す同義語として理解される。

乾皮(かんぴ)

天日のもとで生皮の水分を蒸発、乾燥させた原皮。アフリカやインドなど乾燥地帯で羊皮、山羊皮などの乾皮が多く生産されている。
単に乾燥させたものを素乾皮というが、亜硫酸ナトリウムなどで処理後乾燥した薬乾皮や塩乾皮がある。

顔料

水や有機溶剤に不溶な不透明な有色微粉末。革の仕上げに用い、着色及び革の表面の欠陥をかくすのにも使用される。
紺青(フェロシアン化合物)、チタン白などのような無機顔料とフタロシアニン、ブルー、アニリン、ブラックのような有機顔料がある。
有機顔料は色のさ(冴)え、艶などは優れているが、耐光性及び耐熱性で劣るという欠点がある。

顔料仕上げ

顔料と合成樹脂を使用し、バインダーを含む塗料溶液で革を仕上げる方法。塗膜の厚さは比較的厚く、耐久性が良好である。
低級革の銀面の傷や染色ムラを隠して均質な着色ができ、製品革の等級を向上させることができる。仕上げに広く用いられている。
有機顔料に比べ無機顔料の方が隠ぺい力が強く均一性を得やすいが、無機顔料には金属錯塩が材料として使用されるため
環境、安全面から革中の金属含有量に注意を要する。

生皮(きがわ)

原皮を石灰漬けなどにより脱毛し、さらに油脂やほかの薬剤で処理し現在の鞣しの定義としての鞣し剤を用いた鞣しを行わない皮。
太鼓、鼓<つづみ>、武具などに用いられるほか、機械用部品として紡績用織機のピッカー、ガスケット、ギアなどに使用された。
また、毛付きのまま水洗、加脂、乾燥することもある。原料皮の生皮<なまかわ>とは異なる。

菊寄せ

革製品の仕立て方法の一つ。ヘリ返しを行う場合、財布などの丸みのあるコーナー部分では、必然的に生ずる革のたるみを
放射状に幾重にも均一なしわ寄せをしながら慎重に行う。この手作業を菊寄せと呼び別称キザミとも呼ぶ。
また、鞄やランドセルなど大型の製品にはキザミと呼ばれることが多く、熟練した技術が必要である。

  ≪菊寄せ≫

キッド

子ヤギのこと。多くは子山羊皮より製造されたクロム鞣し甲革を指す。

キッドスキン

子山羊皮。脂肪分が少なく革は柔軟で、美しい銀面をもっているので高級な靴の甲革や手袋用革に用いられ
単にキッドとも呼ばれている。西洋では12世紀以降羊皮紙の原料にも用いられた。おおむね23〜25デシ程度の大きさである。

キップスキン

中牛皮ともいう。生後6ヶ月から2年位までの牛からできる。皮の大きさ、品質とも小牛皮と成牛皮の中間に位置する。
アメリカの牛原料皮重量区分によると塩生皮で15〜25ポンド(6.8〜13.5 kg)のものを指す。
これより重い25〜30ポンド(11〜13.5 kg)のものをオーバーウェイトキップという。

起毛革

ヌバック、スエード、ベロア、バックスキンなど銀面や肉面をサンドペーパーなどの研磨材を用いて起毛させた革のことをいう。

牛革(ぎゅうかく)

ウシの皮から作られた革の総称。牛皮は乳頭層の凹凸が小さく比較的均質なコラーゲン線維構造を持っており強じんで
脂腺や汗腺が少なく革繊維が繊密に充実している。幅広い年齢の原料皮が供給でき、皮革の中で最も多く生産され多方面に利用されている。

牛皮(ぎゅうひ)

動物皮として最も多く使用されているウシの皮は品種により毛の色や分布、斑点に特徴があることが多い。
牛皮の毛包はほぼ均一に分布した単一毛包で、乳頭層の凹凸が小さく比較的均質なコラーゲン線維構造をもち、機械的強度も大きい。
真皮の乳頭層と網状層の区別がつき易い。皮の厚さはネック部が最も厚くて、バット部にかけて薄くなり、ショルダーからバットの前部
ベリー部が最も薄くなる。成牛皮のバット部位の厚さは約6 mm、小牛皮は約2 mm程度である。
線維束はネック部が太くて枝分かれの少ないもので、ある間隔をもって緩やかに交絡している。ショルダー部では太さのそろった線維束同士で
よく交絡しており、その間に細かい線維束が混じり密度が高くなっている。
ベリー部は枝別れの少ない線維束が銀面に平行に走っており、交絡の程度が低くて空隙が多い。
幅広い年齢の原料皮が供給可能であり、牛皮は重量のほかに性別などによってステア、ブル、カウ、キップ、カーフのように区分され
さらにヘビーステア、ライトステアなどと細分される場合もある。わが国で生産される牛皮は内地あるいは地生(じなま)とも呼ばれる。
さらにホルスタイン種の乳牛皮は「ホルス」、黒毛和牛の皮は「一毛」<ひとげ>などとも呼ばれている。
我が国で最も多く使用されている牛皮はヘビーステア、ホルス、デイリーステア、一毛、ライトステアの順である。

きらら染め

雲母<きらら>を含む塗料を使用する革の着色法。きららの反射光の効果を利用した技法で、ピッグスキンなどの塗装に使われる。

切り目

 1) ハンドバッグなどの仕立ての一つ。材料(この場合、タンニン鞣し革が適材)を鋭い刃物で裁断し、そのままの状態で縫いあわせる。
  露出した材料の断面は染料を塗り、ワックスなどで磨き上げ仕上げる。特にヨーロッパで発展した手法。(こば磨きともいう)。
 2)ベルトの加工方法で、中級品から普及品の仕立て方。表材の皮革と裏材(主に合成皮革)を高周波加工、あるいは接着剤で貼り合わせ
  それを打抜型でベルトの形状に切断した後、切り口面を光沢剤などで仕上げる。

金唐革

イタリアのフィレンツェでルネッサンス最中の1470年頃に壁の装飾用として作られ、日本には寛文2年(1662年)に伝来した。
日本では煙草入れや袋物など生活用品に使用された。基本的な製法は次のとおりである。
下準備:原料は植物タンニン鞣しの子牛革で、下準備として一定の形に裁断し厚さを調整し、伸ばす。
銀箔張り:革に糊を塗り、銀箔を一枚ずつ張る。
乾燥:濡れた革がいびつにならないように張り伸ばして乾かす。めのう(瑪瑙)などで表面を磨く。
   銀が黒くなるのを防ぐために卵白を塗る。
ワニス塗り:ワニスを塗って金色にする。このワニスによって外観や仕上がり感が異なるので秘技とされた。
模様付け:革を加湿してから木型や金型に革の表を当ててプレスし、乾かす。
色づけ:型押しした紋様の山や谷に絵の具で模様づけする。

  ≪金唐革≫

キングコブラ

学名はOphiophagus hannah。商業名はコブラ。有りん(鱗)目コブラ科コブラ属に分類され、本種のみでキングコブラ属を形成する。
インド、ミャンマー、ラオス、ベトナム、カンボジア、マレー半島、中国南部などに広く生息している。大きさは平均4 m以上に達し
独自のうろこ(鱗)模様が特徴である。クロム鞣剤や植物タンニンで鞣されて手袋や皮革製品のワンポイントに使用される

金箔

金を打ち延ばした薄い箔で金装飾の技法に用いられる素材。純金に銀、銅をまぜ合金として使用し厚さ0.002~0.3 μmの極薄のものまである。
古くは建築物の表装材として用いられたが、現在では、主に美術工芸品、金糸、書籍の装頓や工業用にも用いられている。

草木染め

天然の植物色素で着色する染色方法。植物の粗抽出液を用い、浸漬又は塗布と乾燥、水洗などの作業をくり返して色素を定着させる。
複雑な味わいのある色調がえられ、革工芸品、財布、ベルトなどでは多く応用されているが、工業的には行われていない。

クラストレザー

染色、加脂した革を水絞り、伸ばしを行い、吊り下げ乾燥した製革工程中にある革。クロム鞣し又は植物タンニン鞣し後乾燥した
中間原料としての未仕上げ革はクラストと呼ぶ。

クラフト

レザークラフト(leather craft)。革工芸、革手芸、革細工ともいう。タンニン革をはじめ、合成タンニン革、クロム革、生皮と
あらゆる仕上げの革が使われ、動物の種類においても牛革、馬革、豚革、鹿革、は虫類革、山羊革、羊革と多種類に及んでいる。
それらによって作り出されるあらゆる作品も個性により様々である。また、趣味の域を超え手縫い靴職人や鞄職人をめざし工房を開き
熱心に取り組む姿勢も顕著に表れている。靴、鞄の教室も盛んに行われており、手作りの良さに人気が高まっている。

クリーナー

表面に付着した汚れを除くための助剤。革用のクリーナーには使用目的によりチューブ入り、乳液状、エアゾール、ゴムなどのタイプがある。
種類は油性、乳化性(中性、酸性、アルカリ性)に分類され、さらにワックスを併用して艶出しを兼ねたものなどがある。
アニリン革には中性〜酸性タイプが適しており、起毛革(スエード、ヌバック、ベロアなど) には固形の消しゴムタイプが使用されている。
皮革の種類に応じた専用のクリーナーを使用する必要がある。

クレージング

革の銀面に平滑性と光沢を付与することを目的として、めのうやガラスのローラーによって強い圧力を加えながら摩擦する作業。
グレージング仕上げの主たる作業であり、通常銀面にタンパク質系仕上剤、ワックスなどを塗布してから行う。グレージングによる仕上げは
下塗り後の革にシーズニング、上塗り、乾燥などを施して数回行うのが普通である。プレート仕上げや型押しも併用することがある。

クレージング仕上げ

皮革の代表的な仕上げ方法の1つである。革の表面に平滑性と透明性のある光沢を付与することを目的として
カゼインなどのタンパク質系仕上げ剤やワックスなどを塗布してから、ガラスやメノウのローラーによって強く摩擦して光沢を出す。
は虫類皮革ではマット仕上げとともに主流をなす仕上げ法で、エナメル革のような強い艶でなく上品な艶を出して
高級感を醸し出している。

クロカイマン

学名はMelanosuchus Niger。ワニ目アリゲーター科クロカイマン属に分類される。生息地は、南米の中、北部である。
皮の品質がメガネカイマンと異なり、鞣すと手ざわりが柔らかく、しなやかであるため主にハンドバッグ等の袋物に使用される。

クロコダイル

学名はCrocodylus。ワニ目クロコダイル科クロコダイル属に分類され口を閉じたとき外から下顎歯が見えるワニの種類である。
北部を除くアフリカ、熱帯アジア、ニューギニア島、オーストラリア北部及びアメリカの亜熱帯、熱帯の湖沼や河川の淡水に分布し
水辺に近づいた動物を襲う。クロコダイルは歯並びの相違でアリゲーター科と分けられるが、両者に例外もみられ
腹面の各鱗板<りんばん>の後部に、感熱器官であるせん(穿)孔という小さなくぼみがあるのが最大の特徴である。
地域によりそれぞれ特徴のあるクロコダイルが分布しており、代表的なものとしてイリエワニ、ニューギニアワニ
シャムワニ、ナイルワニなどがあげられる。

クロム革

クロム鞣剤で鞣された革。淡青色で、保存性、耐熱性、柔軟性が優れ、軽く、弾性が強く、正電荷をもつので酸性及び
直接染料での染色性が良い。甲革、ハンドバッグ用革、衣料用革など最も多く生産されている。しかし最近は革製品の需要の多様化と
省クロムの問題で、ほかの鞣剤とのコンビネーション鞣し革が多くなる傾向にある。

クロムなめし

3価のクロム錯体による皮の鞣し方法。準備工程の終わった皮をピックリングした後、塩基性硫酸クロム鞣剤で鞣す一浴法
が行われている。ドラムやハイドプロセッサー(コンクリートミキサーと似た形の容器)に皮と鞣し液を入れ、6〜8時間回転し
24時間以内で鞣しを終了するが、鞣し液の組成(鞣剤濃度、pH、塩基度、塩濃度、マスキング剤など)と温度、ドラムの回転数
浴比などによって鞣し時間は異なる。このとき、クロムは様々な状態でコラーゲン線維間あるいは線維内で架橋結合をして
コラーゲン繊維を強化する。しかし、2点で結合した架橋に関与しているクロムは総結合クロムの約10%とされ、残りのクロムは
1点でコラーゲンと結合している。この後、合成タンニン、植物タンニンによる再鞣しを行うことが多い。
クロム鞣しは鞣し時間が短く経済性に優れ、製品革は柔軟で保存性、耐熱性、染色性が良いので、甲革、袋物用革
衣料用革などの用途に最も広く行われている鞣し法である。

燻煙なめし(くんえんなめし)

古くからある鞣し法の一つ。脳しょう(漿)鞣し法で作られたシカの白皮<しらかわ>のくん煙は、松葉あるいは
稲わらをいぶした煙をあて、鞣し効果により白皮の保存性や水に対する安定性を高め、外観にくん煙色の着色するために行う。
通常、甲州印伝の製品加工の前に行われ、煙材料により色調が異なる。この設備の基本は、煙を出すためのかまど
白皮を張り付けるいぶし太鼓(いぶし胴)からなる。なお、地域によってこのくん煙のことを、ふすべ、えぶし、いぶし
くすべといういい方がある。くん煙中には、鞣し効果をもったアルデヒド類、カテコール化合物やフェノール化合物のような
ポリフェノール化合物がガス状や粒子状で存在する。これらが皮タンパク質と結合することによって着色し鞣されることが考えられる。

原皮

革の製造原料となる脊椎動物皮。主に家畜のと体から剥皮し、革や毛皮製造工程に入るまでの皮。
キュアリングを施した塩蔵皮、乾皮をいい、生皮も含めて脱毛されていない皮を総称する。

甲革(こうかく)

靴の甲部の表革として使用される革。牛皮、山羊皮、羊皮などを原料とし、一般にクロム鞣し革が多いが
植物タンニン、合成タンニンなどとのコンビネーション鞣しも行われる。鞣し方法や仕上げ方法などにより多様な性状をもつ
多くの種類の革がある。代表的なものは、ボックスカーフ、銀付き甲革、ガラス張り甲革やスエード革、ナッパ革などがある。

工業用革

紡績用機械やその他の機械器具類のパーツとして使用する革の総称。生皮<きがわ>、タンニン革、クロム革
コンビネーション鞣し革など種々の鞣し革が用途によって用いられる。ピッカー、エプロン革、ローラー革、ベルト革
パッキングレザー、バルブレザーなどがあるが、現在、多くは合成材料により代替されている。

国際原皮、革業者協会

原皮と皮革の取引業者の国際団体で、原皮の需給や取引条件を中心に協議を行っている。
この協会は国際タンナーズ協会(ICT)と協力して原皮や皮革の国際取引契約書の作成、普及に努めている。

こがし仕上げ

表面コーティングを施していないタンニン鞣し革(ぬめ革)、又はコンビ鞣し革の表面を
摩擦熱によってこがし模様をつける仕上げ。ウエスタンブーツやカジュアルシューズの甲革の仕上げとしてよく用いられている。
ふつうは高速回転(1,000〜1,500 rpm)の綿ブラシにこがし専門ワックスをすり込み、靴をあててこがす方法がとられている。
着色ワックスを用いて効果を強めることもできる。

刻印法

革工芸の技法の一つ。スタンピング法ともいう。方法は革に刻印を打つが、それにふさわしい革素材を選び
効率よく作業をすすめるための道具と環境を考える必要がある。大理石などの盤上に適当な水分を与えたタンニン革をのせ
これに刻印を垂直に当てて木づちなどで打って模様をつける。革工芸の最も一般的な方法の一つである。
染色をするとより効果的である。またこの方法は浮き彫り法と併用して浮き彫りの効果を高めるために利用される。

コーティング

合成皮革や人工皮革の製造で塗膜形成に用いられる方法。湿式コーティング法と乾式コーティング法がある。
また、床革や銀剥き革のコーティングに用いられるレバカーストコーティング法もある。

ゴートスキン

ヤギ(学名:Capra hircus)の皮。真皮層に占める乳頭層の弾性線維の発達がよく、その割合が大きく網状層が薄い。
乳頭層中の諸器官は比較的少ないため毛は直毛で、背から尻の部分のコラーゲン線維は水平に走るものが多い。
そのため銀面の摩耗性に優れた強じんな革となる。羊皮より充実した線維組織をもち、エラスチン線維が多いためやや硬く
銀面は特徴ある凹凸を示し、耐摩耗性に優れている。パキスタン、インドが主要生産国である。子山羊の革をキッドスキン
銀付きの薄いものをゴートスカイバーと呼んでいる。
ゴートスキンは靴の甲革用、手袋用、衣料用、製本用、手芸用など広く利用されている。

コードバン

馬皮のバット部を裁断して植物タンニン鞣しを行った後、銀面及び肉面部を製品マシンで分割して取り除き
内層にあるコードバン層を強い光沢をもつように仕上げた革。コードバンは銀面層を除いた単層構造の革であり
繊維密度が非常にち密で、鏡又はかねと呼ばれている。紳士靴の甲革として主に使用されるが、靴、鞄、ランドセル、革小物
ベルト、時計バンドや特別な箱などにも利用される。

コバ仕上げ

革の切り口 (こば又はへり)をきれいに整理し、磨くこと。防水処理を行うこともある。
靴の底周辺部では高速回転のカッターでなめらかに削る。靴の底周縁部、革製品の革周縁部切り口などでは
へり落し、豆カンナなどでこばをすいてなめらかにし、ワックス、CMC(カルボキシメチルセルロース)や
塗料などを塗り込んで、熱ゴテなどで磨いて仕上げる。

 ≪豆カンナ≫   ≪ヘリ落とし≫

小判底

ハンドバッグの袋の底にあたる部分の呼び名。形が楕円形で小判に似ていることから、慣用語として使われ一般化した。
底マチとも呼ぶ。同種の例に舟底、笹まちなどがある。

小物革製品

札束入れ、名刺入れ、がまぐち、小銭入れなど革製品の総称。これらは、薄く仕立てることが重要となるので
材料はごく薄手で接着しやすい革が選ばれる。このため表材料となる革は、裏面をすき取るので銀面の強度が要求される。
小物の特徴として、手の平にのせ開閉するので汚れやすい材料は不向きである。表材料には、成牛革が最も多く使用されるが
ほかにカーフ、キッド、ゴート、シープ及び種々のは虫類の皮革が使用される。小物革製品には次のようなものがある。
 1) 札入れ(billford): 紙幣を入れて2つ又は3つに折ることができるもの。多くの場合小銭入れがついている。
 2) 束入れ(wallet)紙幣を折らずに入れる長札入れ。ファスナーを二方向(L字)や三方向(ラウンド)に取り付けたものは
  それぞれLファスナー束入れ、ラウンドファスナー束入れと呼ぶ。
 3) サードバッグ(third bag): 女性用札入れで、中にフレームの金具がついている。ファーストバッグ(ハンドバッグ)
  セカンドバッグに準じて名付けられた、ガマ束、口金付束入れともいう。
 4) がま札(french purse): フレーム状の金具がついている2つ折り札入れ。主に婦人用、口金札入れともいう。
 5) がま口(purse): 開閉部に口金の付いている小銭を入れる袋。婦人用が多い。
 6) 小銭入れ(coin purse): 硬貨を入れるもの。ファスナー付き、フレーム付き、かぶせ付きなど種類が非常に多い。
 7) パスケース(pass case): 表に透明な窓のある定期券、身分証明書などの証書入れ。
 8) カードケース(card case): カード入れ。名刺入れやクレジットカードなどの各種カードケースがある。
 9) 小物入れ (pouch): こまごまとしたものを入れる袋。フリーケースともいう。
 10) 革製手帳(leather pocket notebook): 革張りした手帳。ポケットやバインダー金具を付けるなど大型化や多様化している。
 11) その他の革ケース: たばこケース(cigarette case)、めがねケース(eyeglass case)、ペンケース(pen case)
   キーケース(key case)などがある。

コンビネーションなめし

2種又はそれ以上の鞣剤の併用による鞣し。複合鞣しともいう。例えば、クロム鞣し(前鞣し)後、植物タンニンなどで
再鞣することにより、単独の鞣し剤では得られない多様な特性を付加したり、単独鞣しの欠点を補ったりすることができる利点がある。
多様な新しい触感や性状を求める市場の要求に対応するため、この種の鞣し処方の重要性が増している。




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