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革製品の用語辞典[ま行]


前鞣し

鞣しを促進又は改善するために、主となる鞣しの前に行われる鞣し。 アルデヒド、アルミニウム塩、合成タンニンなどの鞣し効果の弱い鞣し剤が、クロム鞣し、植物タンニン鞣しの前鞣しとして用いられる。

ま(襠)ち

鞄やハンドバッグなど袋の側面、幅出し部分の総称。まちの形態、構造によって、収納能力、使い勝手、立体的な美観が決まるので、 デザイン、縫製上の重要なポイントとされている。多くの型があるが、次の4基本型より発展して来たものである。
1)横まち:袋の前面(前胴)、底、後面(後胴)を連結し、両側面のまちを独立させた構成
2)通しまち:まちを底と連結し、前胴と後胴を独立させた構成
3)折れまち:まちを垂直方向に二分し、それぞれを前後の胴の左右に連結し、底を独立させた構成
4)まちなし:まちを持たない構成。前後の胴を直接連結するため、通常薄型のハンドバッグになる。

マット仕上げ

靴、鞄、ハンドバッグ、ベルトなどの革に使用される艶を出さない仕上げ方法。 は虫類革の仕上げ法としては、艶を強調するグレージング仕上げと艶消しあるいは半艶のマット仕上げが双璧を占めている。 マットとは光沢のない、艶のない状態をいう。 は虫類皮革の仕上げ方法で、艶消し、半艶のマット仕上げは、グレージングの工程をとらず耐水性、色落ちに注意した仕上げである。

マーブル染め

糊料などを用いて不連続な相をなす染料液を使用してマーブル模様に染める方法。 アルギン酸ナトリウムの粘性水溶液に、染料液を加えて竹ぐしなどでマーブル模様を作り、す早く革の表面をここに重ねてマーブル模様を革の表面に転写する。 余分な染料を水洗いで落とすと完成する。墨流し染めとして同じ方法がある。使用する材料としてはマーブル糊が販売されている。

丸編み

丸編みは革ひもの断面が四角いものと丸いものが使用され、革ひもの巾、厚み、径、革の風合いにより仕上がりが異なる。 4本、5本、6本のほか8本というのもある。主にウオレットロープによく使われるが、色の組み合わせ、長さ、太さ、を変化させ多用途にも向く。 上記以外にスクエアブレード&スパイラルツイストブレード、アップリケ、スリットブレード、かがり、メッシュ編み、ランニングステッチなどがある。

丸皮

裁断しない1枚の皮全体をいう。成牛皮のように大きな皮は、背線で分割して工程処理して革(半裁革)とするが、 家具用革など大きな面積の革が望まれるものに対しては丸皮で加工される場合もある。一方、小さい皮はそのまま処理する。

ミズオオトカゲ

学名はVaranus salvator。有鱗目オオトカゲ科オオトカゲ属に分類され、インドネシア、マレーシア半島など東南アジア一帯の水辺に生息している。 背部は丸い粒状のうろこ(鱗)で、背中に“輪”状、及び点状の斑紋が並んでいるところから、リングマークトカゲと呼ばれている。 大きなものは、全長2メートルを超すものもあり、トカゲ革の最高級品として利用価値が大きく、ハンドバッグ、小物、ベルト、靴などに広く使用されている。
 ≪ミズオオトカゲ≫

水漬け

製革の準備工程の最初の作業(水戻しともいう)。塩蔵皮、乾皮などを原皮に付着している汚物、塩、皮中の可溶性タンパク質などを 洗浄除去あるいは溶出させ、吸水軟化させて生皮の状態にもどす作業である。剥皮直後の生皮の水分は60〜70 %であるが、原皮の保存中に微生物の 繁殖などによる腐敗を避けるため、塩蔵処理や乾皮などの方法で皮中の水分は減少している。水分の減少により皮の線維は膠着し硬く変形している。 水漬けは皮組織に水分を補給して生皮に近い状態に戻すとともに、原皮に付着している汚物、塩、皮中の可溶性タンパク質などを洗浄除去あるいは 溶出させる作業である。ドラム又はパドルなどを使用し、水を交換し浸漬する。 乾皮又は豚皮のような脂肪分の多い皮は、吸水軟化を促進するためにアルカリ剤や界面活性剤を添加する。皮が腐敗せぬよう特に注意する必要がある。

水絞り

湿潤革を回転するフェルトのロールで延伸しながら圧搾して脱水する作業。 主として鞣し後と染色、加脂後に行われる。鞣し後では、厚度調整のためのシェービング作業を最適な水分量にするため、 また染色、加脂の際の薬品量の計算基準となるシェービング重量に直接影響する作業として重要である。 染色加脂後における水絞りは、続くセッティング工程における革の表面の平滑性と延伸状態、乾燥の効率に影響する。

蜜ろう

働きバチの腹部の腹面に対をなして存在するろう線から分泌されたもので、ミツバチの巣を加熱圧搾したり、湯で煮溶かしたりして採取する。 主成分はパルミチン酸ミリシル(C15H31COOC30H61)。巣から採取した粘着力のあるろう。ろうけつ染めの防染でろうのき裂を防ぐためにこれを混用する。 ろうそく(蜜ろうそく)、ワックス(艶出し剤)、クリーム、化粧品、漢方薬、クレヨン、粘土などさまざまなものの原料として利用される。

ミナミアフリカオットセイ

学名はArctocephalus pusillus。哺乳網食肉目アシカ科ミナミオットセイ属に分類されている。 ナミビアから南アフリカ共和国にかけてのアフリカ大陸南部の海岸線のケープ岬、アルゴア湾、ブラックロック周辺に棲息している。 南東オーストラリア、タスマニア、ニューサウスウェールズに棲息しているオーストラリアオットセイとともに、地域的に限定されたミナミオットセイ属の1種である。 特徴的な前頭部と比較的長く太い鼻口部をもち、オットセイ属でも最大で、その体長は2.0メートルから2.3メートル、体重は200キロから360キロに達する。 毛の色は、背部は暗灰色で、腹部は黄色をしている。ケープファーシールと呼ばれるように、分厚い毛を持っているので、毛皮目的で数多く捕獲されてきたが、 現在ではワシントン条約の「付属書II」において、適切な許可書若しくは再輸出証明書を条件に許可されている。 皮の銀面は、タテゴトアザラシ(ケープシール)の模様よりやや小さいが似ている。
 ≪ミナミアフリカオットセイの銀面模様≫

明ばん(礬)鞣し

明ばんにはソーダ明ばん{Na2SO4・Al(SO4)3・24H2O}、カリ明ばん{K2SO4・Al2(SO4)3・24H2O}、アンモニア明ばん{(NH4)3SO4・Al2(SO4)3・24H2O}等がある。 いずれも無色透明な8面結晶のアルミニウムの複塩である。これらの明ばんを用いて鞣すことを明ばん鞣しという。 鞣皮性が弱く耐熱性にも欠けるが柔軟な革が得られることから毛皮の鞣しに多く利用された。現在は高塩基性塩化アルミニウム塩が鞣し剤として使われているが、 一般にアルミニウム系鞣剤は鞣し効果が軽微で、酸性で脱鞣しを起こしやすい。

無機鞣し

金属塩など無機化合物による鞣しのこと。鞣剤<じゅうざい>としてクロム、アルミニウム、ジルコニウム、鉄、チタンなどの塩が知られているが、 工業的に広く行われているのはクロム鞣しで、アルミニウム鞣し、ジルコニウム鞣しがこれに次いでいる。いずれの鞣剤も単用されることは少なく ほかの鞣剤と併用される。

無浴法

ドラム処理で新たな浴液を入れずに処理する方法。通常は処理前に水洗した後、浴を切る。 しかし30〜50%程度の浴は残る。そこに鞣剤などを添加すると処理浴中の薬剤濃度が高くなり、革への浸透性が高まるために鞣しや再鞣工程で用いられる方法。

目打ち棒

主にレース編みをするときに革にあらかじめ穴をあける打具で、規格は2 mm巾用と3 mm巾用がある。刃の本数は2 mm用が1本、2本、3本、4本、 3 mm用が1本、2本、3本である。 穴の形状は直線で横並びにそろう。かがるときはそれぞれの巾にあったレース針を用いる。これとは別に穴を斜めにあけるために3 mm巾4本斜目打ちがある。

メガネカイマン

学名はCaiman crocodilus crocodilus。アリゲーター科のカイマン亜科カイマン属に分類され、ベネズエラなどの南アメリカの北部に生息している。 この種の皮は、全体に骨質部が多く、特に腹の部分にカルシウムが多く溜まることから石ワニと呼ばれ、クロコダイル属、アリゲーター属のワニとは区別されている。 主に顎から脇腹の部分が、ワニサイド、テンガサイドとして利用される。主に時計バンド、靴などに使用されている。

メタルしあげ

革の表面にメタルの感じを付与する仕上げ方法。金属風の光沢を持つ顔料や天然パール(魚鱗箔)及びバインダーを混合した塗料で革を塗装する。

メッシュバッグ

革編み物のハンドバッグ。皮革製の編み物は、通常、植物タンニン鞣し革をひも(紐)状に裁断し、断面がかまぼこ状をなすように床面をすき落とした後、 手作業又は織機で編み上げ、グレージング、アイロン仕上げなどの工程を経て完成する。 このほか、革に規則的に細かく切り込みを入れ、革ひもを差し込んで模様を構成していく差し編みメッシュもある。

メッシュレザー

革を細いひも状に裁断し、手編み又は機械編みにより織布のようにしたもの。 植物タンニン鞣しの山羊革が主として使用される。甲革、ハンドバッグ用革や鞄用革として使用される。

メッセンジャーバッグ

自転車を利用して企業などから依頼された書類などを入れ、輸送する大型のカブセ付きショルダーバッグ。

網状層

皮の毛根底部を境界として、真皮を2層に分けた内側。この網状層は太いこう(膠)原線維束が3次元的にからまった網状構造から成り、 下層になるほど線維束の走行方向が平行になる傾向がある。この層には弾性線維はほとんどないが、網状層の底部は次第に弾性線維が多くなり皮下組織に移行する。 網状層は成牛の場合、全真皮層の約80%を占め、革の重要な部分である。栄養の良い家畜の皮で、特に腎臓の上側の部分は、この層に脂質を多く含む場合がある。 厚い皮では、この層を分割して厚さを調整する。網状層のみから成る皮を床皮<とこがわ>と呼ぶ。

モザイク

革の小片を組み合わせてタイルのように張り、模様を表す技法。配色、革片の形によってデザインの特色が出る。

モデラ

革工芸の浮き彫り法などで用いられる金属製のへら。革に凹型をつけて図柄の立体感や強弱をつけるのに用いる。 種類としてトレスモデラ、両面モデラ、浮き彫り用、フィギュア用とあり、用途により使い分ける。また熱を加えて表現する電気モデラもある。
 ≪モデラ≫

もみ仕上げ

皮革の仕上げの一方法。一般には皮革に塗装を施した後、しぼ付け(ボーディング)を行う。型押し革は最終工程としてもみ仕上げを施すことが多い。

モレレッティワニ

学名はCrocodylus moreletii。ワニ目クロコダイル科クロコダイル属に分類され、別名メキシコワニ、グァテマラワニと呼ばれている。 主にメキシコ、グァテマラ、ベリーズに分布している。胴が長く、腹部の鱗は細かい長方形で美しい。ハンドバッグ、ベルト、小物などとして使用される。

モロッコ革

植物タンニン(スマック)鞣しを行い、銀面模様を粒状に硬く際立たせた山羊革。 モロッコのムーア人によって始められたといわれている。用途は古くから本の表紙、小物、高級靴の甲革など多方面にわたっていた。







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