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革製品の用語辞典[さ行]


裁断

革の上に型紙を置き型紙にそってナイフで裁つこと。プレス裁断の場合は刃型を使用する。
革は一枚ごとの品質が違うので重ね裁断ができず、裁断前に仕分けをする。衣料の場合は色目、厚さなどをそろえて
一着分ずつまとめて裁断する。

サイド

成牛皮のように大きな皮を背線で二分した皮及び革。半裁ともいう。

サイドレザー

成牛や馬原皮を水戻し又は石灰脱毛後に背線に沿って二分割(半裁)して鞣した革。
一般的に製造に使用されるのはこのタイプであるが、近年では大型のフレッシングマシン、スプリッティングマシンが導入され
鞣し後に二分割することも多い。この方法は家具用革やシート用革などに採用されている。
また子牛皮、ブタ、ヤギ、ヒツジなど小動物皮は丸皮で鞣す。

サーキュレーター

植物タンニン鞣し方法の一つ。通常6〜8個の連結された槽(ピット)の中に皮を吊し、皮を移動させずに温度
pH、濃度を調整したタンニン液を循環させる方法。このとき別の槽で液の調整を行いポンプで槽に調整液を
循環させる所からこの名前が付いた。

サドルフィニッシュ

オーストリッチ革の仕上げ法の一つ。染料染めの革の表面を布やフェルトで磨き艶を与えて革らしさと羽毛を
抜いた後の丸みのある軸痕であるクイルマークを強調した仕上げ法をいう。ほかにクイルマークと革を同じ色に染める
半マットタイプの顔料仕上げであるクラシックフィニッシュがある。

サドルレザー

馬具に使用する革一般を指すことが多く、植物タンニン鞣しを行った厚くて硬い牛革で底革とは区別される馬具用革の一種。
かつては自転車のサドルにも使用されていた。馬具用革と同義に用いる。

サメ/サメ革

学名はElasmobranchii。板さい(鰓)亜綱<ばんさいあこう>に属する魚類のうち、鰓裂<さいれつ>(エラ穴)が体の側面に開くものの総称で
さい裂が下面に開くエイとは区別される。世界中に約500 種以上が存在する。全世界の熱帯及び温帯の浅い海から深海まで分布しており
日本の近海にも100を超える種類が生息している。水産資源として、肉、ひれ (鰭)、肝臓からビタミンAなどの薬品や化粧品の原料に
皮は楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる鱗をサンドペーパーがわりのヤスリやワサビのおろし金、また鞣して皮革製品に有効利用されている。
サメ革として利用できるものは、約20種で主にヨシキリザメ、イタチザメ、オナガザメ、アオザメ、メジロザメなどがある。
牛皮に比べて、コラーゲン含量が少なく、熱収縮温度も低い。酸性液で膨潤しやすく特殊なうろこ(楯鱗)がある。サメ革は抗張力が劣り
革の表面の特徴は頭部から尾部に向け、細かい連続した網目状に凹凸があり、独特の手触りと外観が牛革など哺乳動物の革とは違った趣があり
水に強く独特のシボを持つ。ハンドバッグ、ベルト、鞄などのほか靴甲にも使用されている。

  ≪サメ革≫

更紗革

室町時代にインド、ジャワから入ってきた更紗文様<さらさもんよう>の染め革。

酸化クロム

三価クロムの酸化物(Cr2O3)。分子量152.02。暗緑色の硬い六方結晶の粉末で、水に不溶、酸やアルカリにもほとんど不溶である。
ガラスや陶器の着色顔料、触媒として用いられる。皮革産業ではクロム革や鞣し剤中のクロム含量を酸化クロムとして
表示しているのが通常である。

酸化脱毛

アニリンブラックのように芳香族アミン誘導体を被染色素材にあらかじめ含浸させ、これを酸化することにより染料生成と同時に
発色し本来の染色効果(色調、堅ろう度など)を発揮するタイプの染料。鮮明な色が得にくく、染色作業が煩雑で色調を管理しにくいが
堅ろうな染色が得られる。毛皮の染色に用いられることが多い。白髪染め、頭髪の染めにも使用されるが
かぶれなどの皮膚障害を起こすことがある。

サンドイッチ染色

陰、陽イオン性染料のいずれか一方でまず染色し、その上に重ねて他方の染料を使うというように
交互に重ねて行く染色方法。染料に対する吸着活性が相対的に弱い革を濃色に染色しようとするときに有効で
反対のイオン性に吸着されやすいことを利用した染色方法。スエード革の黒色度を深める染色法として有効であるが
染色堅ろう性の低下に注意する必要がある。

仕上げ

革の外観、物性、耐久性、機能性の改善など、市場での商品価値の向上を目的として施す作業。
製革工程で鞣し後、染色、加脂から製品革に至る全作業を含めることもあるが、狭義には乾燥後の処理を指す。
乾燥後の仕上げは塗装による方法とバフィングによる方法(スエード、ベロア、ヌバックなどの起毛革の仕上げ)に大別される。
塗装による場合は、さらにグレージング仕上げ、アイロン仕上げ、型押し仕上げ、もみ仕上げなど、その仕上げ手段により分けられるが
これらを組み合わせることにより独特の仕上げ効果を得ようと努力しているため、仕上げ方法は多岐にわたっている。
それぞれの仕上げ方法は皮革製品の特徴に影響を及ぼす。

シェービング

革の肉面側の表面を回転する刃ロールで削る作業。す(漉)きということもある。原則的に鞣した革を染色
加脂などの水場作業を施す前に用途や等級に応じて選別した材料革の厚さを調整するために行う。
シェービング厚さは目的とする製品革と再鞣しなどの後処理による厚さの変動を予測して決定する。

鹿革

シカ(Cerrus)の革の総称。南米、ニュージーランド、中国などに多く産する。繊維は細いがからみ合いが粗く
非常に柔らかい革となる。一般にはアルデヒド、魚油あるいは両者の混合物で鞣される。本来のバックスキンは大鹿の銀面をバフィングして
得られたものであるが、革の裏面をバフィングし、スエード調に仕上げた革をバックスキンと呼び混同している場合が多い。
手袋用革、小物用革やスポーツ用革などに使用される。

漆皮(しっぴ)

生皮<きがわ>は獣毛を除去し、裏打ちをほどこした皮や鞣し革の上に漆を塗布したもの。
通常は被蓋造<かぶせぶたづくり>の箱あるいは鏡箱を指す。生皮を解体可能な木枠、木箱などの上から押しつけて型押しして
乾燥させた後、漆を塗っては乾かし更に塗るという重ね塗りして木枠を外す。箱に密着して生皮を成形することが大切なポイントとなる。
漆の発見と効用(塗料、防腐、防虫、接着など)は既に縄文時代から始まっており、奈良時代に漆皮箱は盛況となり
南都諸大寺、古代寺院(東寺、法隆寺、四天王寺)、正倉院に伝来し現在国宝、重要文化財に指定されている。

シープスキン

ヒツジ(学名はOvis aries)の皮。コラーゲン線維は細く、交絡が緩いので軽くて柔軟な革になる。
主に衣料用革、手袋用革に利用される。ウールシープの革は柔軟性に富み、軽く膨らみがあるが、線維構造はルーズであるため
機械的強度に難がある。ヘアーシープの革は柔軟性があり、軽く、ある程度の強度がある。
年齢(大きさ)によりシープスキンとラムスキンに分かれる。ラムスキンはせん毛したシープスキンと共に
シアリング又はダブルフェースの原料として使用される。

しぼ

革の外観的品質を評価する重要な項目の一つで、革の銀面を内側に折り曲げたときにできるしわの状態をいう。
このしわが細かく均一である場合、しぼがよい、又はしぼだちがよいと評価される。
ボックスカーフはサイド甲革と比べるとしぼが細かい。

シュリンク革

皮の銀面を収縮隆起させ、本来の銀面模様を強調した革。銀面の収縮には収れん性の強い合成鞣剤又は植物タンニンを用いる。
乾燥革を長時間、空打ちすることによっても、銀面の収縮が起こりシュリンクしたような銀面の状態をもつ革となる。
鞄、ハンドバッグに主として用いられる。

植物タンニンなめし

植物タンニン剤を用いた鞣し方法。紀元前から続いている鞣し方法の一つで、古くは鞣皮力のある植物の樹皮や幹、
葉や実などを粉砕して皮と共に桶の中に水に浸して鞣した。その後、温水で抽出した植物タンニンエキスの使用と共に大きく発展した。
槽(ピット)を使った鞣し方法が種々開発されたが、いずれも長い日数を必要とした。近年、ドラムを使用した速鞣法も開発され、
工程日時の短縮がなされている。鞣した革は、伸びが少なく可塑性に優れ、堅ろうな革が得られ、環境に対して負荷が比較的に少ないため
現在でも広く使用されている鞣し方法である。底革、ぬめ革、サドル革、クラフト革(手芸用革)などの製造に利用されている。

白革

白色の外観をもつ革。アルミニウム鞣剤、ジルコニウム鞣剤、合成タンニン鞣剤、グリオキザール鞣剤などで鞣し、
白く仕上げた革やクロム鞣し革でも白革用の合成鞣剤<じゅうざい>などで再鞣し、白色塗料で仕上げた革をいう。

ショルダー

皮の部位の名称で、肩の部分。原料皮では頭部を含めて指すことがある。首の部分は通常含まれる。

素上げ革

製革工程中に塗料やほとんど特別な加工を施さないで、革特有の外観を残したまま加工を終えた状態の革をいう。

水性仕上げ

分散媒として有機溶媒を含まない水性仕上げ剤を使用した仕上げ方法。
カゼインバインダー+グレージング仕上げ*又はアクリルバインダーやウレタンバインダー+プレート仕上げ*の2種類がある。
有機溶剤による大気汚染の心配がなく有用である。特に、アクリルバインダー仕上げは架橋剤を添加することによって
物性が向上し、実用上十分な品質が得られている。パテントレザーに似た高い光沢の仕上げも可能である。

水牛皮

水牛の皮。水牛は南アジア及びボルネオ原産で、湿地を好み、家畜化されてインドやミャンマーで多く飼われている。
体は大きく、後方に曲がった大きな角をもつ。この皮は厚く、肩の部分に大きなしわがあり線維組織が粗い。

スエード

子牛皮、ブタ及びヒツジやヤギなどの小動物の皮を原料として銀付き革の肉面の表面をサンドペーパーで
毛羽をそろえた起毛革。ベロアよりも毛羽が繊細で短く均質なことが特色で、傷などのため銀面の状態が良好でない原料を
使用する場合が多い。靴の甲革などに使用する。牛床革を毛羽立たせて仕上げたものは床ベロアと呼ぶことが多い。

透かし彫り

革工芸の一技法。カービングの作品を部分的に切り抜くことによりメインとなる模様を浮き立たせ強調するための技法。
部分的に切り抜くと革全体の強度が弱くなるので、補強とデザイン要素として別の色合いの革を裏面から
貼り合わせることで、より一層の効果が出る。

スキン

小動物の皮。小判で薄くて軽い。牛皮では、その重量が30ポンド(13.6kg)以下のものがスキンとなる。

ステア

生後数ヵ月後に去勢して肥育した雄牛。代表的な製革原料である。これを体重450〜500 kgくらいにまで肥育してと畜する。
この去勢牛の皮がステアハイドで、皮質は雌牛の皮と雄牛の皮との中間である。

ステアハイド

生まれて数か月後に去勢して肥育した雄牛の皮。原皮重量が58ポンド(26 kg)以上のものをへビーステア、
48〜58ポンド(21.8〜26 kg)範囲のものをライトステア、30〜48ポンド(13.6〜21.8 kg)範囲のものを
エクストリームライトステアと分類している。

ステッチグルーバー

手縫い用溝切り工具。縫い糸が革の表面に出ていると摩擦で切れるため、これを防ぐ目的で縫い目に沿って溝を切る工具。
溝の深さは使用する糸の太さによって加減する。

  ≪ステッチグルーバー≫

スプレーガン調色

皮革クリーニングの一工程。スプレーガンを用い、塗料又は染料の液を人体型に被せた洗い後の革衣料に吹きつけ、
脱色や色ムラを修正する。細部は筆などで修正補足する。革の銀面の着色には、塗料系を用いることができるが、
吹き付け時に顔料の一部が分離してムラになることがあるので予備テストが必要である。
スエードでは染料液を用いるが、洗い後残存する汚れ、スレ、キズなどのカバーが十分でない場合があり、
また洗い後の脱色が顕著であるともとの色に合わせるのが困難な場合がある。
この場合スエード専用ソープを用いて脱色を最小限に抑制し、スプレーガン調色の段階で無色の修正剤を吹き付けて、
濡れによって地色が濃く見える効果を利用して調色の目的を達することが行われる。

スプレー染色

染料溶液を噴霧して革を染色する作業。主としてドラムなどによる染色の後、乾燥革の色調を修正するときに行う。
スプレー染色には一般の水溶性染料や溶剤性染料も使用されるが、耐光堅ろう性の良いアルコール染料が多用される。

スムースレザー

一般には表面が平滑な革。表面に起毛・型押しなどをしていない、自然のままの革。
人工皮革のJISではナッパと区別して表面に毛羽のない銀面様構造をもつものを指している。

すり込み刷毛

染料液をすり込むときに使う刷毛。毛先が短く、ち密で面積が広く作られている。

成牛皮

カーフスキン及びキップスキン以外の牛皮。大判で厚く、線維組織が比較的均一で充実し、
強度及び耐久性のある革となる。一般的に牛皮は銀面の凹凸が小さく、真皮の網状層と乳頭層の区別がつきやすい。
皮の厚さはネック部において最も厚く、バット部にかけて薄くなる。べリー部*が最も薄い。
成牛皮のバット部に至ると厚さは約6 mmある。主な種類としてステアハイドとカウハイドがあり製革業の主原料となっている。

セカンドバッグ

クラッチバッグの別名。手提げハンドバッグ、ショルダーバッグなどをファーストバッグ(主要なバッグ)と
みなした場合の補助的なバッグを意味する。

石灰漬け

製革の準備工程中、最も重要な工程で、水酸化カルシウムを過飽和濃度に調製した石灰溶液に原皮を浸漬処理する作業。
通常、その作用を強め処理時間を短縮するために、硫化ナトリウムなどの脱毛促進剤を添加した石灰溶液が使用される。
この処理によって、毛、表皮の破壊、不必要タンパク質の除去、脂肪酸エステルのケン化がなされると共に、皮は膨潤し
線維構造がゆるめられてほぐされる。この処理を効果的にするため、石灰漬けを分けて、脱毛を主とする脱毛石灰漬けと
その後の純石灰溶液だけの再石灰漬けを行うことが多い。これによって皮の線維構造の均質化と革の柔軟化が促進される。
脱毛石灰漬けは、通常ドラムを用いるドラムライミング、パドルを用いるパドルライミングで行われるが、
このほかに底革では石灰浴槽を用いるピットライミング(単槽法、多槽法)、羊皮に適用される石灰塗布法がある。

石灰(裸)皮

製革の準備工程の石灰漬け作業の終わった皮。

セーム革

本来、アルプスカモシカ (chamois) の皮をタラ肝油で鞣して作った革。現在ではシカ、ヒツジ、ヤギなどの皮を用い
アルデヒド系鞣剤とタラ肝油を用いて鞣した革が多い。タラ肝油には酸化されやすい高度の不飽和脂肪酸グリセライドが多く
酸化生成物と皮タンパク質との化学反応を利用した油鞣し方法で製造される。作られた革は水洗いしても硬化しないことから
自動車清掃用やガラス磨きなどに広く使われていたが、現在では合成繊維にその地位を譲っている。

染色

物体の着色のために行われる作業。色材として染料を使用し、これを水などの溶媒に溶解した状態で適用し、
かつ特別な結合剤(バインダー)を使用せずに被着色体に結合着色させる方法をいう。
ほかの着色法(例えば塗料による)に比べ、鮮明で透明感のある色調が得られること、革の表面だけでなく
組織の内部まで着色し得ること、個々の繊維をこう着させず風合いと表面の感触を変えないこと、
銀面模様を覆いかくすことがないことなどの特色がある。一方、革の種類(特に鞣しの違い)と染料の組み合わせに
適不適があり、注意して選択しなければならない。色調の調節(色合わせ)には熟練技術を要する。
革の染色方法は革と染料液をドラム中で回転する方法(ドラム染色)が一般的であるが、パドル染色、スプレー染色も行われる。
皮革染色の特徴は、革繊維の耐熱性や耐アルカリ性が木綿や化学繊維などの繊維素材より低いため、
クロム鞣し革の場合、染色温度の上限は約60℃、また弱酸性から酸性浴中で染色する必要がある。
革の厚みが比較的に大きいことから浸透染色させるための処理が必要になる。

染色クリーム

革製品の着色を主目的とするクリーム。靴の補色や皮革工芸用として用いる。
一般の乳化性靴クリームよりはるかに染料濃度が高く着色力が優れている。
染料の種類は、油溶性染料、塩基性染料、酸性染料、直接染料などのほかに、
耐候性のすぐれた含金染料などが使用されている。

染料

可視光の領域に吸収スペクトルを持ち、かつスルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)などの
反応基を有する有色の有機物質で、水などの溶媒に溶解し、かつ着色すべき基質(革や羊毛など)と
特別の結合剤の助けなしに結合し得る性質を備えたもの。通常は水に溶解する染料が一般的であるが、
アルコール染料や溶剤性染料のように水以外の溶媒に溶けるものもある。
基質上では分子分散に近い微分散状態で結合しているため、顔料のような不溶性色材に比べ演色効果が高い。
基質との結合挙動の違い、化学構造や染着機構の違いから酸性染料、直接染料、塩基性染料、建染め染料、
反応染料、分散染料、アルコール染料など多種類のものがある。皮革製造用には酸性染料、直接染料、
塩基性染料などが使用されている。分散染料は水に不溶で、皮革、天然繊維、タンパク質繊維には染着しない。

ソフトレザー

衣料用革、手袋用革、ハンドバッグ用革など、薄手の柔軟な革の総称。




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